トヨタのコンパクトSUVとして人気を二分するライズとヤリスクロス。
ライズとヤリスクロスはどちらが買いなのか、多くの方が悩むこの問題に、この記事は明確な答えを提示します。
値段や維持費、税金はいくらですか?といった経済的な側面から、後部座席の広さ、運転しやすさや乗り心地といった実用性まで、あらゆる角度から徹底比較します。
また、ヤリスとライズどっちがいいのかという疑問だけでなく、ライズの欠点は何ですか?というリアルな声にもお応えします。
さらに、トヨタのライズはなぜ販売終了になったのですか?
という認証問題や、ヤリスクロスの生産中止はなぜですか?
という背景まで、購入後に失敗や後悔をしないための全ての情報を網羅しました。
この記事を読めば、あなたのライフスタイルに最適な一台が必ず見つかるはずです。
この記事のポイント
- 両車の価格や維持費、税金といった経済的な違い
- 室内空間の広さや後部座席の快適性、運転のしやすさの差
- それぞれのモデルが抱える欠点や生産停止問題の真相
- あなたの価値観に合った最適な一台を見つけるための最終的な選び方
スペック比較でわかる!ライズとヤリスクロスはどちらが買い?
このセクションでは、ライズとヤリスクロスの基本的な性能や特性を比較し、どちらがどのような方に適しているのかを明らかにします。
- ①ライズとヤリスクロスの値段を徹底比較
- ②ヤリスクロスとライズの広さはどう違う?
- ③ヤリスクロスとライズの後部座席を検証
- ④ヤリスクロスとライズの運転しやすさを評価
- ⑤ヤリスクロスとライズの乗り心地を比較
①ライズとヤリスクロスの値段を徹底比較
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ライズとヤリスクロスのどちらを選ぶか考える上で、車両本体の値段は最も大きな判断材料の一つになります。
まず、ライズは圧倒的なコストパフォーマンスを武器としています。一方、ヤリスクロスはライズより高価ですが、その価格に見合う価値を提供しているのが特徴です。
ライズの価格帯は約180万円から240万円台に設定されており、特に装備をシンプルにしたグレードでは、非常に手頃な価格でSUVを手に入れることが可能です。
これは、開発を得意とするダイハツの設計思想に基づき、日本の道路事情に最適化された5ナンバーサイズで、コストを抑えながらも最大限の実用性を追求した結果と考えられます。
対するヤリスクロスは、約190万円から320万円台と、ライズに比べて全体的に高めの価格設定です。
この価格差は、トヨタがグローバル基準で開発したTNGAプラットフォームの採用や、より上質な内外装、そして先進的な安全技術の搭載に起因します。
特に上位グレード同士を比較した場合、価格差はより顕著になりますが、それに見合う走行性能や所有満足感を得られる点が魅力です。
このように、ライズは初期費用を抑えたいユーザーにとって最適な選択肢であり、ヤリスクロスは価格が高くても品質や性能にこだわりたいユーザーの期待に応えるモデルと言えます。
②ヤリスクロスとライズの広さはどう違う?
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車の使い勝手を大きく左右する室内の広さにおいて、ヤリスクロスとライズは異なる強みを持っています。
ボディサイズはヤリスクロスの方が一回り大きいですが、室内空間の広さに関しては、単純な優劣で語れないパラドックスが存在します。
荷室容量とシートアレンジ
荷室の容量自体は、ヤリスクロスが390Lと、ライズの369Lを上回ります。
ヤリスクロスの真価は、その多彩なシートアレンジ機能にあります。
上位グレードでは後部座席が4:2:4の比率で分割して倒せるため、後席に2人乗ったままでもスキー板のような長尺物を積載できます。
これは、アウトドアレジャーなどを楽しむアクティブなユーザーにとって非常に便利な機能です。
高さ方向のゆとり
一方で、ライズは荷室の高さでヤリスクロスを上回っており、背の高い荷物を積む際に有利です。
また、室内全体の高さもライズの方が高いため、車内での圧迫感が少なく、より開放的な空間に感じられます。
両車ともに荷室の床面の高さを調整できるデッキボードを備えており、積む荷物に応じて柔軟な使い方ができる点は共通の魅力です。
これらのことから、荷物の積載性においては、様々な形状の荷物をスマートに積みたいならヤリスクロス、背の高い荷物を積む機会が多い、あるいは車内の開放感を重視するならライズ、という選択基準が見えてきます。
③ヤリスクロスとライズの後部座席を検証
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後部座席の快適性は、家族や友人を乗せる機会が多いユーザーにとって、車選びの重要なポイントです。
この点において、ヤリスクロスとライズには明確な差があり、ボディサイズが小さいライズの方が後席居住性に優れるという興味深い事実があります。
ライズの後部座席は、頭上と膝周りのスペースに十分なゆとりが確保されています。
室内高がヤリスクロスよりも高く設計されているため、大人が座っても圧迫感を感じることがありません。
さらに、ライズの後席にはリクライニング機能が備わっており、長距離移動の際に乗員が楽な姿勢を取ることが可能です。
一方、ヤリスクロスは後部座席のスペースが比較的タイトです。
特に頭上空間はライズほどの余裕がなく、大柄な男性が座ると少し窮屈に感じるかもしれません。
また、後席の背もたれは角度が固定されており、リクライニング機能がないため、長時間の乗車では疲れを感じやすい可能性があります。
以上の点を踏まえると、頻繁に後部座席に大人を乗せるファミリー層や、友人とのドライブを楽しむ機会が多い方には、後席の快適性を優先したライズが適していると考えられます。
逆に、後席の使用頻度が低い、あるいは主に子供を乗せるという方であれば、ヤリスクロスの設計でも十分に対応できるでしょう。
④ヤリスクロスとライズの運転しやすさを評価
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運転のしやすさは、毎日のように車を使うドライバーにとって、快適性を左右する大切な要素です。
この点において、ヤリスクロスとライズは、それぞれが主戦場とするシーンで異なる強みを発揮します。
まず、市街地や狭い道での取り回しにおいては、ライズに軍配が上がります。
ライズの最小回転半径は4.9m~5.0mと非常に小さく、Uターンや車庫入れが楽に行えます。
また、全幅が1,695mmの5ナンバーサイズであるため、狭い路地でのすれ違いにも気を使う必要が少ないです。
このコンパクトさこそ、日本の道路環境に最適化されたライズ最大のメリットと言えます。
対照的に、ヤリスクロスは高速道路での走行安定性に優れています。
全幅が1,765mmと広く、ホイールベースもライズより長いため、直進安定性が高く、コーナリング時にも安心感があります。
最小回転半径は5.3mとライズより大きいため、市街地での小回りはやや苦手としますが、長距離移動が多いドライバーにとっては、その安定感が疲労の軽減につながります。
したがって、主な用途が街乗りで、運転のしやすさを最優先するならライズが適しています。
一方で、通勤やレジャーで高速道路を頻繁に利用し、安定した走りや長距離での快適性を求めるなら、ヤリスクロスがより満足度の高い選択となるはずです。
⑤ヤリスクロスとライズの乗り心地を比較
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車の動的な質感を決定づける乗り心地は、ライズとヤリスクロスで評価が大きく分かれるポイントです。
この違いは、両車が採用するプラットフォームの設計思想に根差しています。
ライズの乗り心地は、多くのレビューで「硬め」と表現されています。
これは、コストを重視したDNGAプラットフォームと比較的シンプルなサスペンションの組み合わせによるもので、路面の段差や凹凸を乗り越える際に、ゴツゴツとした突き上げ感や車体の揺れを感じやすい傾向にあります。
スポーティと捉えることもできますが、同乗者の快適性を重視する場合には、少し気になるかもしれません。
これに対し、ヤリスクロスはTNGAプラットフォームの恩恵を受け、しなやかでフラットな乗り心地を実現しています。
高剛性なボディと低重心設計、そして洗練されたサスペンションが路面からの衝撃を巧みに吸収し、安定した姿勢を保ちます。
このため、長距離を運転しても疲れにくい上質な乗り味を提供します。
特筆すべきは、ヤリスクロスの4WD(E-Four)モデルです。
このモデルには、より高性能な「ダブルウィッシュボーン式リアサスペンション」が採用されています。
これは乗り心地と操縦安定性を格段に向上させるもので、最高の乗り心地を求めるのであれば、降雪地帯のユーザーでなくとも4WDモデルを選択する価値は十分にあります。
購入後の視点から!ライズとヤリスクロスはどちらが買い?
このセクションでは、税金や維持費といった経済的な側面や、購入後に後悔しないために知っておくべき各モデルの注意点や問題点について掘り下げていきます。
- ①ライズとヤリスクロスの税金はいくらですか?
- ②ライズとヤリスクロスの維持費をシミュレーション
- ③ライズの欠点は何ですか?購入前の注意点
- ④トヨタのライズはなぜ販売終了になったのですか?
- ⑤ヤリスクロスの生産中止はなぜですか?
- ⑥まとめ:ヤリスとライズどっちがいい?結局どちらが買いか
①ライズとヤリスクロスの税金はいくらですか?
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車を所有する上で避けて通れないのが税金です。
ライズとヤリスクロスのどちらを選ぶかによって、毎年支払う自動車税や購入時にかかる重量税に違いが生じます。
自動車税(種別割)
まず、毎年支払う自動車税はエンジンの排気量によって決まります。
ライズは1.0Lまたは1.2Lエンジンを搭載しているため、年額は34,500円です。
一方、ヤリスクロスは1.5Lエンジンを搭載しているため、年額は39,500円となります。
年間で5,000円の差があり、長期的に見ればこの違いは小さくありません。
自動車重量税
次に、購入時と車検時に支払う自動車重量税です。
この税金は車両の重さに応じて課税されますが、より重要なのは「エコカー減税」の適用です。
ライズとヤリスクロスのハイブリッドモデルは、このエコカー減税の対象となり、燃費基準の達成度によっては購入時の重量税が免除される場合があります。
ガソリン車は通常通り課税されるため、ハイブリッド車を選ぶことは、初期費用を抑える上で大きなメリットになります。
このように、税金の面だけを見ると、排気量が小さく、エコカー減税の恩恵を受けやすいライズの方が有利になる場面が多いと考えられます。
②ライズとヤリスクロスの維持費をシミュレーション
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車選びでは、購入価格だけでなく、燃料費やメンテナンス費用、さらには将来の売却価格まで含めた総所有コストで判断することが賢明です。
ライズとヤリスクロスの維持費には、それぞれ特徴があります。
燃料費とメンテナンス
燃料費に直結する燃費性能では、ヤリスクロスのハイブリッドモデルがWLTCモードで最大30.8km/Lと、クラス最高水準を誇ります。
ライズのハイブリッドも28.0km/Lと非常に優秀ですが、ヤリスクロスには一歩及びません。
長期的な視点では、この燃費の差が維持費に影響を与えます。
また、ハイブリッド車は将来的に駆動用バッテリーの交換が必要になる可能性があり、その場合は高額な費用がかかるリスクも考慮しておく必要があります。
リセールバリュー
ライズとヤリスクロスは、どちらも中古車市場で非常に人気が高く、高いリセールバリュー(再販価値)を維持しています。
興味深いことに、ライズでは初期投資が安いガソリン車の方が、ハイブリッド車よりも高い残価率を示す傾向が見られます。
一方、ヤリスクロスでは装備が充実した上位グレード「Z」の人気が高く、リセールも有利になることが多いです。
これらの要素を総合すると、車両価格が最も高いヤリスクロスのハイブリッドモデルが、優れた燃費と高いリセールバリューによって、数年間の実質的な負担額では最も少なくなる可能性も十分に考えられます。
ご自身の年間走行距離や保有期間を考慮し、多角的にコストを評価することが大切です。
③ライズの欠点は何ですか?購入前の注意点
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完璧な車が存在しないように、ライズにもいくつかの欠点や注意すべき点があります。
購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、正直な評価を理解しておくことが大切です。
最も多く指摘されるライズの欠点は、高速道路走行時におけるパワー不足です。
特に1.0Lターボエンジンは、追い越しや登り坂で力不足を感じる場面があるという声が少なくありません。
また、乗り心地が硬めで、路面の悪いところでは車体が跳ねるような感覚があり、同乗者から不満が出る可能性も考えられます。
内装の質感に関しても、価格相応ではあるものの、ダッシュボードなどに使われている硬質なプラスチック素材が「チープに見える」という意見は根強くあります。
デザインでうまくカバーしている部分もありますが、ヤリスクロスと比較すると質感の差は否めません。
実用面では、ガソリンタンクの容量が36Lとやや小さいため、長距離を走る際には給油の頻度が高くなるという点も、人によってはデメリットに感じるかもしれません。
これらの欠点を許容できるかどうか、また、自分の使い方で問題になるかを、試乗などを通じて事前に確認しておくことをお勧めします。
④トヨタのライズはなぜ販売終了になったのですか?
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「ライズが販売終了になった」という情報を耳にして、不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、正確には販売が完全に終了したわけではなく、過去に生産と出荷が長期間にわたって一時停止された、というのが事実です。
この問題の原因は、ライズの開発・生産を担当するダイハツ工業が、認証取得の過程で不正行為を行っていたことにあります。
2023年5月、ライズのハイブリッド車(HEV)において、電柱のようなポールに側面から衝突させる安全試験で、不正があったことが発覚しました。
本来は運転席側と助手席側の両方で試験を行うべきところを、助手席側のデータのみで申請していたのです。
これはライズという車種固有の欠陥というよりは、製造元であるダイハツの企業体質に根差した、より広範で深刻な問題の一部でした。
この発覚を受け、ライズのハイブリッド車は安全性が再確認されるまで生産・販売が停止される事態となりました。
現在は対策が講じられ、生産・販売は再開されていますが、ライズを選ぶということは、OEM供給元であるダイハツのこうした過去のリスクを理解した上で判断する必要があると言えます。
⑤ヤリスクロスの生産中止はなぜですか?
ヤリスクロスもまた、過去に生産・出荷が一時停止された経緯がありますが、その背景はライズの問題とは全く異なります。
ヤリスクロスの場合は「生産中止」ではなく、こちらも「一時停止」であり、その原因は開発元であるトヨタ自動車社内の問題にありました。
2024年6月、トヨタは過去の認証試験において規定違反があったことを公表しました。
ヤリスクロスで問題となったのは、荷室に積んだ荷物が衝突時に乗員へ危害を与えないかを確認する「積荷移動防止試験」において、規定とは異なる重さのブロックを使用して試験を行っていたという内容でした。
これも安全に関わる重要な問題であり、生産・出荷の一時停止につながりました。
前述の通り、ライズの問題がOEM供給元であるダイハツの不正に起因するのに対し、ヤリスクロスの問題はトヨタ自身の内部統制に関わるものです。
この二つの問題は、原因となった組織も内容も異なります。
ユーザーにとっては、どちらもメーカーの信頼性に関わる事態ですが、その背景にあるリスクの性質が違うという点は、車選びの際に理解しておくべきポイントです。
現在は、ヤリスクロスも問題への対策を講じた上で生産・販売が正常に行われています。
⑥ヤリスとライズどっちがいい?結局どちらが買いか
これまで様々な角度から比較してきましたが、ヤリスとライズ(本記事ではヤリスクロス)どっちがいいかという問いへの答えは、あなたのカーライフにおける優先順位によって決まります。
結局のところ、ライズとヤリスクロスはどちらが買いか、その最終的な判断を下すためのポイントを以下にまとめます。
- ライズは5ナンバーサイズで小回りが利き、街乗りに最適
- ヤリスクロスは3ナンバーサイズで高速走行時の安定性に優れる
- 後部座席に人を乗せる機会が多いなら、室内が広くリクライニングも可能なライズが有利
- 内装の質感や所有満足度を重視するなら、上質な素材を使ったヤリスクロスが魅力的
- 初期費用を抑えたいなら、価格設定の安いライズが第一候補
- 乗り心地の良さを求めるなら、TNGAプラットフォーム採用のヤリスクロスが快適
- 特にヤリスクロスの4WDは、上級なサスペンションで乗り心地が格段に向上する
- ライズは最小回転半径が小さく、Uターンや駐車が非常にしやすい
- ヤリスクロスは荷室アレンジが多彩で、アクティブな趣味を持つ人に向いている
- ライズは後席の快適性を、ヤリスクロスは荷室の柔軟性を優先した設計
- 燃費性能はヤリスクロスのハイブリッドがクラス最高水準
- 税金は排気量の小さいライズの方が年間で安くなる
- リセールバリューは両車とも高いが、グレードやパワートレインで傾向が異なる
- 安全技術はトヨタ純正の「Toyota Safety Sense」を積むヤリスクロスが一歩リード
- ライズの生産停止問題はダイハツの認証不正、ヤリスクロスはトヨタ社内の規定違反が原因だ
最後までお読み頂きありがとうございます♪