人気コンパクトSUV、ホンダ・ヴェゼルの購入を検討する際、「実際のところ、ヴェゼルのリセールはどうなんだろう?」と疑問に思う方は少なくありません。
将来の乗り換えまで考えると、購入時の価格だけでなく、売却時の価値も重要な判断材料になります。
この記事では、ヴェゼルのリセール残価率は実際にどのくらいなのか、そしてヴェゼルの3年落ちの相場はどの程度なのか、具体的なデータに基づいて解説します。
また、経過年数5年や3年での価値の変動、下取り相場が高い理由、そして気になる値崩れのリスクや将来の予想まで、多角的に分析。
さらに、最大のライバルであるカローラクロスとヴェゼルのリセール価値を客観的なランキング情報も交えて比較し、あなたの車選びを徹底的にサポートします。
この記事で分かること
- ヴェゼルの年数別リセール価値の具体的な推移
- リセールで有利になる人気グレードやカラーの選び方
- ライバル車カローラクロスとのリセール価値の比較
- 将来の値崩れリスクを回避し、高く売却するための戦略
驚異的なヴェゼルのリセール相場を徹底分析
- ①そもそもヴェゼルのリセール残価率は?
- ②グレード別の詳細なリセールランキング
- ③ヴェゼルの3年落ちの相場はいくら?
- ④経過年数5年・3年での価値の推移
- ⑤なぜ下取り相場が高いのかその理由を解説
- ⑥リセールを左右する勝ち組グレードとは
①そもそもヴェゼルのリセール残価率は?
スリービーサポートイメージ
ホンダ・ヴェゼルのリセールバリューは、国産コンパクトSUV市場においてトップクラスの実績を誇ります。
新車価格に対して、売却時にどれだけの価値が残っているかを示す「残価率」という指標で見ると、その優秀さは一目瞭然です。
実際に、ホンダが販売する主要車種の中でも、ヴェゼルは常に上位にランクインしています。
特に5年経過時点のデータを見ると、その価値維持能力の高さが際立ちます。
順位 | 車種 | 5年後残価率 (%) |
---|---|---|
1 | ホンダ ヴェゼル ハイブリッド | 69.00 |
2 | ホンダ フリード | 68.96 |
3 | ホンダ WR-V | 68.12 |
3 | ホンダ ヴェゼル | 68.12 |
5 | ホンダ シビック | 68.06 |
この表が示すように、ヴェゼルはハイブリッドモデルが1位、ガソリンモデルが3位と、パワートレインを問わず非常に高い残価率を維持しています。
これは、ヴェゼルが単なる人気車種ではなく、長期的な視点で見ても資産価値が落ちにくい、賢い選択肢であることを証明しています。
この卓越したリセールバリューは、洗練されたデザインと優れた実用性に対する市場の強い需要が背景にあります。
そのため、中古車市場でも常に高い人気を保ち、価値が下がりにくい状況が生まれているのです。
②グレード別の詳細なリセールランキング
スリービーサポートイメージ
ヴェゼルのリセールバリューは全てのグレードで一律に高いわけではなく、選択するグレードによって将来の売却価格に数十万円単位の差が生まれることがあります。
ここでは、特にリセール価値が高い「勝ち組」グレードと、そうでないグレードについて解説します。
リセール市場の王者「e:HEV PLaY」と「e:HEV Z」
結論から言うと、最もリセール価値が高いのは最上級グレードの「e:HEV PLaY」です。
パノラマルーフや専用の2トーンカラーといった特別装備が強い個性を放ち、中古車市場では指名買いされるほどの人気を誇ります。
3年後の残価率が100%を超えるケースも珍しくありません。
次に人気なのが、装備と価格のバランスに優れた「e:HEV Z」です。
実用性とリセールバリューを両立させたいユーザーから絶大な支持を集めており、中古車市場の「鉄板」グレードとして安定した高値を維持しています。
「勝ち組」グレードのポイント
- e:HEV PLaY: 圧倒的な人気と専用装備で最高のリセールを期待できる。
- e:HEV Z: 装備、価格、リセールのバランスが最も良い優等生。
注意が必要な中間グレード「e:HEV X」
一方で、中間グレードの「e:HEV X」はリセール市場で苦戦する傾向が見られます。
その理由は、中古車を探すユーザー層の心理にあります。
中間グレードの価値の罠
中古車市場では、「どうせ買うなら最高の装備が付いた上級グレードが良い」と考える層と、「とにかくコストを抑えたいからベースグレードで十分」と考える層に二極化しやすい傾向があります。
その結果、どちらのニーズも満たしきれない中途半端な位置づけの「X」グレードは、「PLaY」や「Z」に比べて大きく価値を落とす可能性があるため注意が必要です。
以下の表は、グレード選択が将来の資産価値にどれほど大きな影響を与えるかを示しています。
グレード | パワートレイン | 3年後残価率 (%) | 5年後残価率 (%) |
---|---|---|---|
e:HEV PLaY | ハイブリッド | 70.1 ~ 120.3 | 47.3 ~ 104.1 |
e:HEV Z | ハイブリッド | 42.6 ~ 109.2 | 46.6 ~ 81.0 |
e:HEV X | ハイブリッド | 30.8 ~ 76.5 | 43.0 ~ 84.2 |
G | ガソリン | 36.8 ~ 78.7 | 64.4 ~ 99.1 |
③ヴェゼルの3年落ちの相場はいくら?
スリービーサポートイメージ
新車購入から3年後は、最初の車検を迎えるタイミングでもあり、多くのオーナーが乗り換えを検討する最初の大きな節目です。
この時点でのヴェゼルの価値は、リセールを考える上で非常に重要な指標となります。
結論として、3年落ちのヴェゼルの平均残価率は約58%から70%の範囲で推移しており、国産車全体で見ても非常に高い水準です。
これを具体的な買取相場に換算すると、平均で約207万円から265万円程度が目安となります。
ただし、これはあくまで平均値です。前述の通り、グレードや車両の状態で価値は大きく変動します。
例えば、最上級グレードの「e:HEV PLaY」であれば、3年経過後も新車価格に近い、あるいはそれを超える価格で取引されるケースも存在します。
一方で、不人気グレードや走行距離が過多な車両、修復歴がある車両などは、平均を大きく下回る可能性もあります。
3年という節目は、ヴェゼルの高い資産価値を実感できる最初のタイミングであり、高値での売却を狙う重要な時期と言えるでしょう。
④経過年数5年・3年での価値の推移
スリービーサポートイメージ
ヴェゼルの資産価値は、一般的な車のように直線的に下落するわけではなく、年数に応じて特徴的なカーブを描きます。
特に購入後の3年間と5年間では、価値の変動パターンが異なります。
3年目の節目:高い価値を維持
前述の通り、3年目の時点では平均残価率が58%〜70%と、非常に高いレベルを維持します。
これは、ヴェゼルが中古車として非常に強い需要を持っていることの表れです。
この時期は、使用価値と資産価値のバランスが最も良い「スイートスポット」の一つと言えます。
5年目の節目:パワートレインによる価値の逆転現象
購入から5年が経過しても、ヴェゼルの価値は依然として高く、平均残価率は約55%〜60%を維持します。
しかし、この段階で興味深い現象が顕著になります。
それは、ガソリンモデルの残価率がハイブリッドモデルを上回る傾向が強まることです。
パワートレインのパラドックス
短期的な視点では先進性や燃費性能で人気のハイブリッドモデルですが、5年以上の長期的な視点では、構造がシンプルでメンテナンスコストへの懸念が少ないガソリンエンジンが、特に海外市場などで再評価される傾向があります。
具体的には、5年後の平均残価率がガソリン車で約59%、ハイブリッド車で約51%と、明確な差が報告されているデータもあります。
この非線形の減価パターンを理解することは、最適な売却タイミングを見極める上で非常に重要です。
経過年 | 平均残価率 (%) | ガソリン車 (%) | ハイブリッド車 (%) |
---|---|---|---|
1年後 | 約81~85 | 80台後半 | 80台後半~100超 |
3年後 | 約58~70 | 約68 | 約62 |
5年後 | 約55~60 | 約59~63 | 約51~56 |
7年後 | 約44~47 | 約50~70 | 40台後半 |
⑤なぜ下取り相場が高いのかその理由を解説
スリービーサポートイメージ
ヴェゼルの下取りや買取相場がなぜこれほど高い水準を維持しているのでしょうか。
その理由は、単一の要因ではなく、複数の要素が複合的に絡み合っています。
主な理由は以下の3つです。
- 圧倒的な市場での人気と需要
最も根本的な理由は、ヴェゼルの商品としての魅力が幅広い層から支持されていることです。洗練された都会的なデザイン、コンパクトながらも広い室内空間と使い勝手の良い荷室、そして優れた燃費性能。これらの要素が高いレベルでバランスしており、中古車市場でも常に需要が供給を上回る状況が続いています。 - 新車の長い納車待ち期間
ヴェゼルは人気車種であるため、新車の納期が数ヶ月から1年以上かかることも珍しくありません。「すぐにでもヴェゼルに乗りたい」と考えるユーザーが、新車同然の良質な中古車に目を向けます。この強い需要が、中古車価格を押し上げ、時には新車価格を超えるほどのプレミアム価格が付く要因となっています。 - 海外市場での高い評価
特にガソリンモデルは、その堅牢なエンジンとシンプルな構造から、東南アジアやアフリカなどの海外市場で非常に人気があります。この安定した輸出需要が、国内の中古車相場を力強く下支えしており、年式が古くなっても価値が落ちにくい構造を生み出しています。
言ってしまえば、ヴェゼルは「国内での人気」「納期の長さ」「海外からの需要」という3つの強力な追い風を受けている状態です。
これが、他の車種にはない卓越したリセールバリューの源泉となっているのです。
⑥リセールを左右する勝ち組グレードとは
スリービーサポートイメージ
前述の通り、ヴェゼルのリセール価値はグレードによって大きく異なります。
ここでは、経済的なリターンを最大化するための「勝ち組」グレードの選択について、さらに掘り下げて解説します。
賢い選択は、「最上級の体験価値」か「純粋なコスト効率」かの二者択一に集約されます。
最上級の価値を狙うなら「e:HEV PLaY」または「e:HEV Z」
中古車市場で最も高い評価を受けるのは、やはり装備が充実した上位グレードです。
特に「e:HEV PLaY」は、パノラマルーフなどの専用装備が持つ希少性から、他を圧倒するリセール価値を誇ります。
また、「e:HEV Z」も、必要な装備がほぼ全て揃っており、満足度が非常に高いグレードです。
中古車を探しているユーザーも、「どうせ買うならZ以上」と考える傾向が強く、安定した高値が期待できます。
長期保有やコスト効率なら「G」(ガソリンモデル)
一方で、ベースグレードの「G」も、特定の条件下では非常に賢い選択となり得ます。
新車価格が安いため、購入時の初期投資を抑えられるのが最大のメリットです。
ガソリンモデルの長期的な強み
前述の通り、5年以上の長期保有では、ガソリンモデルの残価率がハイブリッドを逆転する傾向があります。
シンプルな構造を好む海外での需要や、長期使用におけるメンテナンスへの安心感が、その価値を支えています。
そのため、長く乗ることを前提とするならば、ガソリンモデルの「G」は非常に合理的な選択肢となります。
避けるべきは「中途半端な」選択
リセールという観点で最も避けたいのが、中間グレードの「e:HEV X」のような中途半端な選択です。
上位グレードの豪華さも、ベースグレードの価格的な魅力も中途半端になりがちで、中古車市場では敬遠されやすいポジションにあります。
妥協して中間グレードを選ぶよりも、思い切って上位グレードに投資するか、コスト効率を追求してベースグレードを選ぶ方が、結果的に経済的なリターンは大きくなる可能性が高いのです。
ヴェゼルのリセールで損しないための将来予測と戦略
- ①大きな値崩れが起きるタイミング
- ②今後のリセールバリューの推移を予想
- ③カローラクロスとヴェゼルのリセール比較
- ④まとめ:賢いヴェゼルのリセール戦略で損を防ぐ
①大きな値崩れが起きるタイミング
スリービーサポートイメージ
ヴェゼルは非常に値崩れしにくい車種ですが、その価値が大きく下落する可能性が最も高まるタイミングが存在します。それは、「フルモデルチェンジ」です。
現行モデルが「旧型」になってしまうと、市場の注目は新型へと移り、旧型の中古車価格は下落基調に入るのが一般的です。
実際に、2021年に現在のRV型ヴェゼルが登場した際も、先代のRU型の中古車平均価格は一時的に下落しました。
モデルチェンジ情報には常にアンテナを
フルモデルチェンジの数年前から、自動車雑誌やWEBサイトで様々な噂や情報が出始めます。
愛車の売却を検討している場合は、自身の所有するモデルが「現行型」であるうちに売却プロセスを開始することが、高値を維持するための鉄則です。
モデルチェンジが正式に発表された後では、買取価格が大きく下がってしまうリスクがあります。
ただし、ヴェゼルの場合、その基本的な商品力が非常に高いため、モデルチェンジ後も旧型が暴落するというよりは、新たな価格帯で安定する傾向があります。
それでも、価値を最大化するためには、モデルチェンジのタイミングを見極めることが極めて重要です。
②今後のリセールバリューの推移を予想
スリービーサポートイメージ
ヴェゼルの将来のリセールバリューを予測する上で、市場環境の変化を考慮する必要があります。
特に、近年の異常な中古車市場からの正常化が今後の鍵となります。
「リセール益」を狙う短期売買は終焉へ
パンデミック後の半導体不足などに起因した、1年落ちの中古車が新車価格を超えるような異常な市場環境は、徐々に正常化に向かっています。
そのため、もはや短期的な売買で利益を確定させるような戦略は、非常に高いリスクを伴います。
「1年乗って売れば儲かる」という考えは、もはや過去のものです。
これからのヴェゼルとの付き合い方は、短期的な売却益を狙うのではなく、その優れた走行性能やデザイン、実用性といった使用価値を十分に享受した上で、3年から5年という中長期的なスパンで売却を考えるのが、最も賢明で合理的なアプローチとなるでしょう。
本質的な価値は今後も高く維持される
短期的な異常高騰は収束するものの、ヴェゼルの持つ本質的な価値が揺らぐわけではありません。
今後の将来予測においても、3年後の残価率は約70%前後、5年後でも約60%前後という、国産車トップクラスの高い水準は維持されると見込まれています。
デザイン、実用性、燃費性能といったヴェゼルの根本的な魅力が、中古車市場で引き続き高く評価され続けることは、ほぼ間違いないでしょう。
リセールバリューは固定された保証ではありませんが、ヴェゼルが市場で最も安全な選択肢の一つであり続ける可能性は非常に高いです。
③カローラクロスとヴェゼルのリセール比較
スリービーサポートイメージ
コンパクトSUVセグメントにおいて、ヴェゼルの最大のライバルがトヨタ・カローラクロスです。
リセールという観点からこの2台を比較すると、単純な優劣ではなく、異なる価値の特性が見えてきます。
結論を言うと、「どのグレードを選んでも失敗しにくい安定性のカローラクロス」と「当たりグレードを選べば大きなリターンを狙えるヴェゼル」という構図になります。
「フロア(下限値)」と「シーリング(上限値)」の比較
3年落ち時点の残価率を見ると、カローラクロスの「最低」残価率は約58%であるのに対し、ヴェゼルの最低値は約36%に留まるデータがあります。
これは、カローラクロスであれば、どのグレードを選んでも一定水準以上のリセールが期待できる「安全性の高さ」を意味します。
一方で、残価率の「最高」値に目を向けると、ヴェゼルが100%を超える数値を記録する可能性があるのに対し、カローラクロスの最高値は約78%です。
これは、ヴェゼルで「e:HEV PLaY」のような当たりグレードを戦略的に選べば、カローラクロスを上回る非常に高いリターンを得られる可能性を示唆しています。
車種 | グレード | パワートレイン | 3年後残価率 (%) |
---|---|---|---|
ホンダ ヴェゼル | e:HEV Z | ハイブリッド | 42.6 ~ 109.2 |
トヨタ カローラクロス | HYBRID Z | ハイブリッド | 39.5 ~ 90.6 |
ホンダ ヴェゼル | G | ガソリン | 36.8 ~ 78.7 |
トヨタ カローラクロス | Z | ガソリン | 62.6 ~ 82.3 |
あなたに合うのはどっち?
- カローラクロスがおすすめな人:複雑な調査はせず、どのグレードを選んでも確実に高いリセールを得たい「安全志向型」の購入者。
- ヴェゼルがおすすめな人:情報を活用し、経済的リターンを最大化するために戦略的な調査を厭わない「情報活用型」の購入者。
まとめ:賢いヴェゼルのリセール戦略で損を防ぐ
この記事の最後に、ヴェゼルの優れた資産価値を最大限に引き出し、売却で損をしないための具体的な戦略をまとめます。
リセールを意識した乗り方は、購入時から始まっています。
ヴェゼルのリセール価値を最大化する戦略リスト
- グレードは「e:HEV Z」か「e:HEV PLaY」を狙う
- 長期保有ならガソリンモデルも有力な選択肢
- ボディカラーは定番の「プラチナホワイト・パール」か「クリスタルブラック・パール」を選ぶ
- 4WDモデルは2WDより安定して高いリセールが期待できる
- パノラマルーフや純正ナビなど後付けできないメーカーオプションを付ける
- 内外装を清潔に保ち、定期的な手入れを怠らない
- 年間走行距離は1万kmを目安にし、過走行を避ける
- 小さな傷や凹みは高額な費用をかけて修理せず、そのまま査定に出す
- 車の需要が高まる1月~3月、または9月に売却活動を開始する
- フルモデルチェンジの情報に注意し、発表前に売却する
- ディーラーでの下取りだけでなく、必ず複数の専門業者が見積もる一括査定を利用する
- 複数の査定額を比較し、最も高い価格を提示した業者と交渉する
- リセール目的の短期売買はもはや推奨されない
- 3年から5年、車の価値を十分に楽しんでから売却するのが合理的
最後までお読み頂きありがとうございます♪



